一般的なビジネスと同様、アプリ開発ビジネスにおいても、ユーザー獲得は収益に直結する重要な事項です。アプリの利用者やファンを獲得し、収益を安定化させ、ビジネスを発展させるためには、ターゲットに対する効果的なマーケティングが欠かせません。今回はそんなアプリマーケティングについて、目的や必要性について詳しく解説します。
アプリマーケティングの目的と必要性とは
年々高まるスマホの普及率に伴い、現代人が長長時間接触するメディアも変化しています。2022年に実施した東京都民を対象とする「メディア定点調査（ビデオリサーチ調べ）」では、これまでもっとも利用時間比率の高かったテレビを抜いて、携帯電話・スマートフォンが首位となりました。
今後もモバイルメディアの利用者増加が予想され、それに合わせてモバイルアプリ市場も拡大が見込まれます。アプリ開発においても、ほかのビジネスと同様にマーケティングが重要です。ここではアプリマーケティングの目的と必要性について、詳しく紹介します。
アプリの認知度を高める
アプリマーケティングにおいて大切なことは、アプリの認知度を高めることです。どんなに有用なアプリを開発しても、ユーザーが獲得できなければ収益につなげることはできません。ユーザーを獲得するためには、アプリの認知度を高めることが不可欠です。
見込み顧客に対してアプリを宣伝するためには、WEB広告やSNSによる情報拡散、インフルエンサーとのコラボなどが有効です。まずはアプリの存在を多くの人に知ってもらうことで、興味を持ってもらえる確率が上がります。
ダウンロード数を増やす
アプリの認知度が高まったら、ダウンロード数を増やすことが重要になります。アプリの収益はユーザーの存在があって成り立ちます。まずはアプリをダウンロードしてもらい、実際にアプリを使ってもらうことが欠かせません。
ダウンロード数を増やすためには、ターゲットとする利用者に活用メリットがあると思ってもらうことが大切です。そのためには、アプリのタイトルやキーワード、アイコン、説明文、キャプチャ画像などでアプリの魅力をアピールして「実際に使ってみたい」と思わせることが有効です。
また、口コミ投稿を促すキャンペーンなどを開催することも効果が期待できます。
リピート利用を促す
獲得した顧客に、アプリを継続して利用してもらうことも大切です。アプリのリピート利用を促すための手段として、ユーザーにとってメリットのある情報を提供することが挙げられます。たとえばプッシュ通知を活用することで、アプリの存在感を高め、リピート利用を促せます。
利用者の規模が拡大したアプリや、多機能なアプリの場合は、コミュニティを構築することも効果的です。
ユーザー同士で交流する場を持つことで、アプリの利用意欲を高められます。また、SNSや口コミによるアプリの評価や、ユーザーの要望、不満点などを分析して、より使いやすいアプリになるようブラッシュアップすることも大切です。
収益を増加させる
アプリ開発ビジネスで肝心なことは収益を増加させ、更なるサービス発展につなげていくことです。そのためには広告収益の最適化や、アプリ内での課金の促進、ユーザーデータ分析などが大切です。
アプリ内で広告を掲載して収益を得る場合、広告の種類や表示場所、クリック率の高い広告を掲載することで改善が図れます。アプリ内課金促進は、有料コンテンツやアプリ内通貨の導入が挙げられますが、価格設定や内容によっては顧客が離れてしまうこともあるため、慎重に検討することが必要です。
データ分析はユーザーが何を求めているかを把握することに役立ちます。ニーズの高いサービスを実装することで、収益増加につなげることが可能です。
アプリマーケティングにおいて必要なステップ
ここではアプリマーケティングにおいて必要なステップを紹介します。
ターゲットユーザーの特定
アプリマーケティングではまずターゲットとなるユーザーを設定することから始めます。「若年層」とか「男性」など漠然としたものではなく「30代の仕事に意欲的な独身女性」などのように、ある程度解像度を高く設定することが大切です。
アプリの特徴やメリットの明確化
ターゲットユーザーを特定したら、アプリの特徴やメリットを明確化します。ターゲットユーザーにとって、自社アプリの魅力は何か、アプリを使うことで何が得られるか、競合アプリとの違いは何かをはっきりさせます。
プロモーションの実施
アプリの特徴やメリットを明確化したら、これらを軸にしたプロモーションを実施します。ターゲットユーザーへの訴求力の高いメディアやブロガーとコラボして紹介記事を執筆してもらったり、ターゲットの目に留まりやすいデザインや文言を積極的に活用したりすると効果的です。
データの収集と分析
アプリがダウンロードされ、ある程度の利用者が獲得できたら、ユーザーのデータを収集し、ニーズを分析しましょう。アプリ利用データから改善点を把握することで、顧客満足度を上げ、収益の増加につなげられます。
アプリマーケティングに成功するためのコツやポイント
アプリマーケティングを成功させるためには、いくつかのコツやポイントがあります。ここでは心掛けておきたい重要な項目を紹介します。
ユーザーのニーズを把握し、アプリの価値を伝える
アプリの開発と運営に重要なことはユーザーのニーズに応えることです。優れたアプリであっても、需要がなければビジネスは成り立ちません。そのためには口コミやアプリ利用データの分析は重要です。使用頻度の高い機能や、改良が求められている機能の開発に注力することで、アプリの価値を高められます。
広告やプロモーションを効果的に活用する
広告やプロモーションを効果的に活用することで、定期的な新規ユーザーが可能になります。毎回同じ広告やプロモーション方法を用いず、アプリの新しい魅力や、社会の流行などを考慮するなど工夫することで、ユーザーの興味を引きやすくなります。
アプリの品質向上に努める
アプリの品質向上に努めることも大切です。SNSや口コミ評価に寄せられるユーザーの不満は、現状のアプリをブラッシュアップできる伸びしろでもあります。アプリの品質向上につながる要望に積極的に応える姿勢をみせることで、企業への信頼獲得も期待できます。
競合環境を把握して、差別化する
マーケティングでは競合アプリとの差別化を図ることも重要です。そのために、自社アプリと競合するアプリにどのようなものがあるか、自社アプリはほかのアプリと比べてどのような点が優れているかを把握しておくことが大切です。
競合アプリとの“違い”は、自社アプリの個性です。“違い”をより磨くことで、強力な武器にすることも可能です。
まとめ
アプリマーケティングについて、目的や必要性を解説しました。マーケティングは、アプリの認知度拡大、ダウンロード数の増加、リピート利用の促進、収益の増加などが目的です。上手にマーケティングすることで、安定した収益を得て、サービス拡大につなげられます。マーケティングを成功させるためには、ユーザーのニーズを把握し、アプリの価値を伝え、広告を効果的に活用し、アプリの品質向上に努めること、そして競合アプリとの差別化を図ることが大切です。
